ダイエットを始めようと思っても、「何からやればいいかわからない」という人や、「とりあえずお米を抜こう」「ランニングを始めよう」など間違った方法に走ってしまう人などが多い現状があります。
ダイエット情報を簡単に手に入れるようになったからこそ、多すぎる情報に混乱する。
そこで、ダイエットをするにすればいいのか、まずは人間が痩せていく仕組みを理解する必要があります。
本記事を読んで、人間が瘦せる仕組みを理解し、結果を出せるダイエットのスタートを切っていただけると幸いです。
目次
人間が痩せる仕組みとは?
ダイエットを考える際は痩せる仕組みについて知る必要があります。
人間は食べ物から入ってきたエネルギー(カロリー)を消費して身体を動かしています。
他に、脳や臓器が働くためにもエネルギーは必要であり、人間は常にエネルギーを消費して生きている。
とはいえ、空腹状態でも生命維持は可能ですし、一定時間なら食べ物を食べずにも身体を動かすことができます。
その理由は、身体の優れたメカニズムによるもの。
人間は体内にエネルギーを貯蔵するシステムが備わっており、空腹状態でも生命を維持したり、身体を動かすことが可能なんです。
その主なエネルギーの貯蔵庫が肝臓・筋肉・脂肪。
これらの臓器にエネルギーが蓄えられていることによって、人間は飢餓状態でも生存し、繁栄することができたというわけです。
- 食べるものが少なくなり、エネルギーが不足してくると、貯蔵されているエネルギーを分解し使っていく
- 食べた物が多くなり、エネルギーが余っていれば、いざというときのために貯蔵しておく
この、貯蔵と分解のメカニズムこそが、痩せる・太るのメカニズムを言うわけです。
つまり、
- 摂取するエネルギーが少なくなれば、貯蔵しているエネルギーを使う=痩せていく
- 摂取するエネルギーが多くなれば、エネルギーを貯蔵しておく=太る
消費するエネルギーと摂取するエネルギーのバランスこそが痩せるか太るかを左右するということですね。
では、なぜ肝臓・筋肉ではなく脂肪が多くついてしまうのかについてもみていきましょう。
脂肪は効率良いエネルギー貯蔵庫
先ほど、体内にエネルギーを貯蔵しておく場所は肝臓・筋肉・脂肪の3つあると説明しましたが、なぜ脂肪は簡単について筋肉は付きにくいのでしょうか。
その理由は、脂肪が1番効率の良いエネルギー貯蔵庫だからです。
エネルギーを貯蔵しておくには以下の2つのパターンが存在しています。
- グリコーゲン
- 脂肪
これらについて、それぞれ簡単に見ていきましょう。
グリコーゲンによるエネルギー貯蔵
グリコーゲンとは、多数のブドウ糖が繋がってできた多糖類で、主に肝臓と筋肉に貯蔵されています。
食べ物(糖質)を食べることによって入ってきたエネルギーが肝臓や筋肉に送られるイメージで、体内に含まれる糖質のほとんどはグリコーゲンとして肝臓や筋肉に貯蔵されているといわれています。
肝臓にあるグリコーゲンは血糖値を一定に保つために使われたり、脳へエネルギーを供給するなどの役割を持ち、
筋肉にあるグリコーゲンは身体を動かす際のエネルギーとして使われます。
エネルギーをグリコーゲンとして貯蔵するメリット
- 即時的エネルギー源として使える
- タンパク質(筋肉)の分解を防ぐ
グリコーゲンは1gあたり3gの水(化学反応に必要な物質)と結合して貯蔵されているため、すぐに化学反応を起こしエネルギーを創り出せます。
グリコーゲンは肝臓からすぐに血液へエネルギーを供給できますし、動かす筋肉内に存在しているためすぐに使える。
また、糖質はタンパク質より分解しやすい構造なため、飢餓状態などでタンパク質(筋肉)からエネルギーを生成しようとする働きを抑えることができます。
つまり、グリコーゲンはエネルギーに変換しやすく、身体の分解を防ぐ。
コレだけ見るとすべてのエネルギーをグリコーゲンをして貯蔵すればいいのでは?と思いますが、グリコーゲンとして蓄えるのもデメリットが存在するんです。
エネルギーをグリコーゲンとして貯蔵するデメリット
- 貯蔵するために水分を含む
- 貯蔵できる量に限りがある
一般的な成人のグリコーゲン貯蔵量は、肝臓に100g、筋肉に300gで合計400gほど。
グリコーゲンは体内に貯蔵する際、1gにつき水3gと結合しているため、1gのグリコーゲンを貯蔵するのに4gの重さがあります。
すぐに反応を起こすために水は必要ですが、グリコーゲン貯蔵が多すぎるとそれだけ体内に水分が必要になり、身体が重くなってしまうんです。
重い身体を動かすには大きなエネルギーが必要ですから、エネルギー貯蔵のために身体を水分で重くするというのは非効率的というわけです。
つまり、人間の身体はある程度はグリコーゲンをして即時的に使えるエネルギーを保管し、その他は水分と結合しなくても良い形でエネルギー貯蔵しておいた方が効率良いというわけです。
その、水分を必要としな貯蔵方法こそが脂肪によるエネルギー貯蔵です。
脂肪によりエネルギー貯蔵
グリコーゲンによるエネルギー貯蔵は、即時的に使えるというメリットがある一方、水分を多く含むため多く貯蔵できないデメリットがあるとお話しました。
そのデメリットを解決する身体のシステムこそが脂肪による貯蔵です。
脂肪は疎水性であり、水と混ざりにくい性質を持っています。
つまり、脂肪は貯蔵する際に水分をため込む必要がない。
また、脂肪は糖質・タンパク質と違って1gあたりのエネルギー密度が高く、大きなエネルギーを含んでいます。(糖質・脂質・タンパク質のエネルギー密度に関してはこちらの記事を参照してください。)
簡単に言うと、糖質・タンパク質は1g=4㎉のエネルギーなのに対し、脂質は1g=9㎉。
エネルギー密度が高いのにも関わらず、疎水性で水分をため込む働きもないため、効率の良い貯蔵庫となっているわけです。
その分、グリコーゲンと比較してエネルギーに変換されるまでに時間がかかるという特徴もある。
また、肝臓や筋肉は骨格の大きさによって限りがありますが、脂肪はいくらでも作ることができるため多くエネルギーため込むことができるんです。
以上をまとめると以下の通り。
- エネルギー貯蔵にはグリコーゲンと脂肪の2パターンある
- グリコーゲンは多く貯蔵できないが即時的に使える
- 脂肪は多く貯蔵可能で1gに占めるエネルギー密度が大きく、使うには時間がかかる
日常生活で使うエネルギー分をグリコーゲンとして蓄え、緊急用に脂肪としてエネルギーを蓄えているといったイメージですね。
脂肪を分解していくには?
では、今まで貯蔵してきた脂肪を分解していくにはどうすればいいのでしょうか。
それは、摂取しているエネルギー(カロリー)以上に消費するしかありません。
人間は生きていく中で必ずエネルギーを消費し、その分エネルギーを摂取することでバランスを取っています。
つまり、今までは摂取カロリー=消費カロリー。
ダイエットではこの2つのバランスを変え、摂取カロリー<消費カロリー としていく必要があるんです。
このバランスを創る事ができれば、新たに脂肪が増えることはなく、グリコーゲンや脂肪を分解してエネルギーを生成していくことができるわけです。
とはいえ、極端に摂取するカロリーを制限してしまうと身体が生命維持するのに必要なエネルギーすら不足してしまい倦怠感・気分不快など様々な健康被害が出てしまうんです。
その理由は、上記したように脂肪を分解していくには時間がかかり1日に必要なエネルギーを生成できないから。
グリコーゲンであれば即時的にエネルギーを創り出せますが、脂肪からエネルギーを取り出すのには時間がかかります。
つまり、生命維持していく程度にカロリーを摂取し、その他で必要になるエネルギー(日々の活動による消費エネルギー分)を脂肪を分解したエネルギーで補うということが重要ということです。
まとめると、
- 生命維持に必要なエネルギー(グリコーゲン分のカロリー)を摂取する
- 活動に必要なエネルギーを脂肪を分解することで生成する
このバランスを取る必要があるんです。
適切な摂取カロリーの目安については別記事で解説していきます。
痩せるには摂取と消費のバランス
結論を言うと、痩せていくには摂取カロリーと消費カロリーのバランスを適切な値にコントロールするというのが最も確実で唯一の正解というわけです。
世にあるれるダイエット方法はどれも、いかに楽して・簡単に・誰でもできる方法で摂取カロリー<消費カロリーのバランスを取れるか考えられたものです。
糖質制限では、消化しにくい脂質やタンパク質を食べることで空腹感が少なく、お菓子やお米といったカロリーが入ってこないことで結果として摂取カロリーが減ってダイエットできる。
脂質制限では、カロリー密度の大きな脂質を控えることで全体の摂取カロリーが減りダイエットできる。
16時間断食は、食べる時間が短いため結果的に摂取カロリーが減る。
ことのように、方法は違うように見えても、結果的に摂取カロリー<消費カロリーの関係をどう作っていくのかという根本は同じ。
ダイエット方法の中には、「糖質が肥満の原因」「脂質が悪い」「断食しないと痩せれない」などの情報もありますが、どんな方法でも瘦せることは可能です。
根本は全て同じで、いかに楽して摂取カロリー<消費カロリーの関係を創るか。
そのための方法は人それぞれ異なっているためどんどんと新しダイエット方法が生まれてくるわけですね。
やはり、自分にとってやりやすい手段を使っていけばいいのではと思う次第です。
とはいえ、過度なカロリー制限や運動だけでダイエットなど、完全に間違った方法はある程度確立されているようなのでそこらへんは注意してみましょう。
当ブログではいろいろなダイエット方法やダイエット心理、ダイエット食材について解説しています。
悩めるダイエッターにとって少しでも役に立てれば幸いです。