こんな経験ありませんか。
ダイエット中に少しだけもらったお菓子を食べたとたん、リミッターが外れてしまい、今日は良いやと予期せぬチートデイにしてしまう。
節約してたのに、急な買い物でお金を少し使った際、今日は良いやと無駄なものを買ってしまう。など
これらの現象は、「どうにでもなれ効果」とふざけた名前ですが、心理学の専門用語として存在するんです。
ダイエットを続けていると誰しもが経験したことがあるのではないでしょうか?
「どうにでもなれ効果」は、些細な失敗が連鎖的に大きな失敗を生み、罪悪感を呼び込んでしまう可能性があります。
罪悪感から負の連鎖が続き、目標達成が遠ざかってしまうというわけです。
そこで、この「どうにでもなれ効果」はなぜ・どんな時に起きて、対処法はあるのかについてご紹介します。
結論から言うと、
「どうにでもなれ効果」は、起こりやすい状況にある程度の共通パターンが存在し、科学的な対処法も存在します。
「どうにでもなれ効果」の真実を知り、コントロールし、ダイエットや自己成長など目標達成につなげていきましょう。
「どうにでもなれ効果」はなぜ起きる?
どうにでもなれ効果はなぜ起きるのでしょうか?
それは罪悪感を埋めようとするからだと考えられています。
人間は変化を嫌う性質を持っています。
大小にかかわらず、1度失敗してしまうと罪悪感を抱き、心に穴が開いたような状態になります。
そして、穴が開いている状態を回復させようと別の誘惑物で埋めるように考え出します。
人間は、負の感情でできた穴を埋めるために瞬間的な快楽を求めます。
その結果、ドーパミン(快楽物質)を得られる行動を連鎖的に引き起こしてしまうのです。
これが、「どうにでもなれ効果」の正体と言っていいでしょう。
「どうにでもなれ効果」が起こりやすい3パターン
「どうにでもなれ効果」が起きやすいパターンは以下の3つです。
- 短期的な目標しか持っていない場合
- 何かをしないよう努力している場合
- 毎日を完璧にしようとしている場合
それぞれ簡単に見ていくと、
「今日はお菓子を食べないぞ」「今週は無駄遣いをしないぞ」など
目標が短期間で、現実的でないもの。
短期間で大きな結果を求める目標の成功率は高くありません。
何日が短期間で何日以上が長期間なのかについては、意見が分かれるところですが、
少なくとも1カ月以上、目標期間が長ければそれだけ、実現できる幅は広がります。
もちろん、長すぎる期間は目標へ進んでいっている実感がわきずらいので、何を行うかによって期間をコントロールすることは重要でしょう。
ダイエットという目標からしたら3か月くらいが良いのではないでしょうか。
「今日はお菓子を食べないぞ」「今週は無駄遣いをしないぞ」
食べない・しない など、「~ない」ということを目標にしている場合です。
ダイエットでよく聞く、炭水化物は食べない、夜にお菓子は食べない などもこのパターンですね。
「~しない」を目標にしていると、「~してしまった」ときに、どうにでもなれ効果が発動しやすく、結果として目標が遠ざかってしまいます。
最後は、完璧を目指している人。
現代は、インターネットやSNSの普及で、芸能人やインフルエンサーなど
自分とかけ離れた存在の生活や環境を気軽に知ることができるようになりました。
その結果、身の丈に合わない競争を強いられ、完璧でなくてはならないと考える人が増えてきています。
完璧を目指していたはずが、完璧でない行動をとってしまった際、またしても「どうにでもなれ効果」が発動。
なんとも残酷は話です。
「どうにでもなれ効果」の対処法
全ての目標を台無しにする「どうにでもなれ効果」に対抗するにはどうすればいいのか。
具体策としては、以下の通りです。
- 長期目標をつくる
- 「~しない」ではなく「~する」を目標にする
- 失敗する日をつくる
そう、これらは全て起こりやすいパターンの逆です。
短期目標→長期目標、~しない→~する、完璧→失敗
「2週間で1㎏落とす」という目標ではなく「2か月で3㎏落とす」という目標にするなど
短期的な目標は現実味にかけるものになりがちで、「どうにでもなれ効果」が起こりやすいですが、
長期的な目標であれば1度の失敗も今度の頑張りしだいで取り返せますし、現実味のある目標となりやすいです。
前記しましたが、ダイエットの目標であれば最低でも1ヵ月、できれば3か月以上の期間で
余裕を持って進めていくことをおススメします。
「炭水化物は食べない」「お菓子は食べない」など、~をしないという目標は現実的ではありません。
たとえ1日、2日、3日と実行できていたとしても、我々が暮らすストレス社会で誘惑に打ち勝ちつ続けるというのは不可能。
もし、~してしまった時には「どうにでもなれ効果」がほぼ確実に発動し、負の連鎖が始まります。
なので、「お菓子は食べない」という目標ではなく、「お菓子を食べない日を多くする」という目標など、
「~しない」ではなく「~を我慢する日を多くする」と、変えていくことをおススメします。
こんなことで変わるはずがないと思う人もいるかもしれませんが、この方法は科学的に効果が実証されている方法です。
そして、1週間、1ヵ月で何日くらい我慢できた日があったかをカウントするということも効果的な方法です。
失敗しなかった日は必ずあります。
時間がたつにつれて失敗しなかった日が増えていくと、目標に近づいているということがわかりやすくモチベーションにも繋がります。
日々の自分の頑張りを目に見える形で残すということは重要ですね。
最後は、あらかじめ失敗する日、失敗してもいい日をつくっておく。
これはいわゆる「チートデイ」とも似た考えです。
チートデイの本来の目的は、ダイエットで下がった代謝を元に戻すために行いますが、
モチベーションの維持・「どうにでもなれ効果」の対策としてもとても重要です。
人間は完璧ではありません。
失敗する日だってある。
そう、自分自身を許せる心の広さが目標達成には不可欠ということです。
あらかじめ失敗する日(チートデイ)をつくっておくと、現在の行動に集中しやすく、日々のモチベーションを高く保てるというデータもあります。
失敗を許した方が失敗しづらく成功に近づくというのは何とも不思議な話ですね。
チートデイについてはこちらを参考に。