「朝起きたてでウォーキングするとダイエットがはかどる」と聞いたことがある人はいませんか。
フィットネスインフルエンサーなどがよくおすすめしている方法ではありますが、これは本当に効果があるのでしょうか。
空きっ腹で運動することは、ファスティングトレーニングとも呼ばれていまして、フィットネス業界では支持者が多く、試してみたことがある人も多いのではないでしょうか。
実際、複数の論文を見ても、ファスティングトレーニングは体脂肪の減少に役に立つというデータが多く、ダイエットには効果的ではないかと考えられます。
ただし、それは食欲コントロールしやすいからであって、ファスティングトレーニングが体脂肪減少させる魔法の方法ではない。一般的なダイエットレベルでは効果は期待しずらいかも…
そして、メリットがみられるのは短期的なダイエットだけで長期的に見れば変化なし。
つまり、メリットがあればデメリットがある。
今回は、そんな空腹時間とダイエットについての関係についてみていきましょう。
空きっ腹で運動すると体脂肪が減る
空きっ腹で運動すると体脂肪が減るというデータから見ていきましょう。
まず、空腹時間に運動をすることでなぜ体脂肪が燃えると考えられているかというと、
空腹時間に運動することによって人間の身体は呼びに蓄えていたエネルギーを消費して動くようにできているから。
2013年に行われた研究によると、空腹で運動をすることで20%多く脂肪が燃えると報告されていますし、
他にも複数の研究で効果は証明されていまして、空腹時に運動することは確かに体脂肪の減少に役立つと考えられています。
しかし、長期的な目線(2ヵ月以上)で見ると話は変わってきます。
実は、空腹時の運動が体脂肪減少効果に役立つというデータはどれも短期的(6週間未満)でありまして、それ以上おこなうダイエットでは有意差はなくなるんだとか。
つまり、長期的なダイエットでは空腹時に運動するメリットはほとんどなく、結局は摂取カロリー<消費カロリーの関係が1番大切だったとのこと。
結局は、
- 摂取カロリー<消費カロリーの関係を守ることが大事
- 短期的なダイエットやもともと体脂肪が低い人がさらに絞ろうとする際には使える
- 通常のダイエットでは気にする必要なし
通常のダイエットでは気にする必要なしとは言いましたが、空腹時の運動はメリットがあるのも確か。
そんなメリット・デメリットについてみていきましょう。
ファスティングトレーニングのメリット・デメリット
メリット
- 食欲コントロールに役立つ
- 良い習慣作りの手助けになる
- 食事が美味しく感じる
まず、面白いデータは適度な運動をした方が食欲がコントロールしやすいということについて。
実は、ウォーキングや軽い筋トレなどは空腹感を抑える働きがあると分かっています。
また、空腹時に運動するという行動は難易度が高く、実行するだけで意志力を鍛えることができます。
意志力が鍛えられれば当然、その他の行動も良い選択肢を摂れるようになります。
結果として、1日を通して良い習慣が形成されていき、ダイエットがはかどるというわけです。
そして何より、空腹は最高のスパイス。
空腹時間に運動し、さらに身体の栄養を枯渇させることで、普段の食事がさらにおいしく感じるでしょう。
これこそが、ファスティングトレーニング最大のメリットといっていいでしょう。
デメリット
- 運動の質が低下する可能性あり
- 筋肉分解の恐れ
- 精神的にきついかも
デメリットは何と言っても、栄養の枯渇。
空腹時は身体の栄養が枯渇している場合が多いです。
もちろん、その前の食事で十分に身体に栄養が蓄えられていればいいのですが、栄養が枯渇しすぎていると、運動中に元気が出ず、パフォーマンスを発揮することができません。
また、栄養の枯渇中にはどうしても大切な筋肉が分解されてしまう危険性があります。
すきっ腹といっても身体には十分に栄養が残っている。そんな理想の状態を目指しましょう。
そのためにも、1回前の食事で十分に糖質とタンパク質を摂取し、運動の準備を忘れないようにしましょう。
追い込みで使うなら効果的
2015年に行われた研究によると、ファスティングトレーニングは体脂肪を削す最後の追い込みには効果的かもと示唆されているようです。
ボディビルやフィジークの大会に出場するレベルまで体脂肪を削る。体脂肪率1桁の身体を目指すという場合であればファスティングトレーニング有効な手段となります。
上記した通り、ファスティングトレーニングは長期的に見たら有意差はないと結論付けられていますが、目標の起源があるダイエットにはとても有効なテクニックです。
夏に向けて体脂肪1桁を目指す。結婚式のために美しい身体を目指す。そんな方は、朝起きてすぐに軽い運動・ウォーキングなどをしてみるというのも良いかもしれませんね。
人間はもともと空腹状態で運動していた
最後に、人間本来の形は空腹時に運動をしていたということについて。
人間は大昔より狩猟採取して暮らしてきました。
そのころは冷蔵庫や保存料などが発達しておらず、食材を保存するという文化はほとんどありません。
もともとの人類は今日を生きる食事にさえありつけるか不安な環境で生きてきました。
だからこそ、空腹時でも獲物を見つけるために動かなければなりません。果物を探しに歩かなければいけません。
このように、人類はもともと空腹の中を動き、獲物を獲得して生き延びてきました。
そんな過去からすれば、空腹時の運動は人間本来の形であり、人間が必要としている行動なのかもしれませんね。