ダイエットの1番の敵と言えばストレス。
いくら摂取カロリーを減らして運動を増やしたとしても、ストレスがかかりやすい生活を送っていると痩せることは出来ません。
仕事や人間関係、将来の不安など、現代人には多くのストレスがかかります。
そんな環境下でダイエットを成功させるということがいかに難しいのか。
結論から言うと、「ストレスが過度にかかるとコルチゾール(ストレスホルモン)が増え、食欲暴走・基礎代謝低下により、体脂肪が増えやすい」と考えられています。
今回も研究論文をベースに「ストレスってどのくらい太りやすくなるの?」という疑問について調べていき、何か対策はあるのかについて探っていきましょう。
食欲とホルモン 2つの食欲
ストレスと食欲には切っても切り離せない関係があります。
その原因としてはホルモンバランス。
人間の食欲には、快楽を求める・生理的な反応の2つが存在します。
食欲を操るホルモンは複数存在していまして、食欲とホルモンの関係についてみていくと、
- 食欲アップ:ドーパミン、コルチゾール、グレリン
- 食欲ダウン:セロトニン、GLP-1、PYY、レプチン
快楽を求める食欲は主にドーパミンからきています。
この食欲は、たとえ身体に栄養が足りていたとしても食べることをやめられません。
中には、お腹いっぱいだと頭では理解していたとしても、食べるとことをやめられず、接触行動を続いてしまいます。
その理由としては、脳が快楽を欲し、ブレーキをかけれないから。
美味しい物を食べると、ドーパミンと呼ばれるホルモンが分泌され、脳が報酬を感じます。
しかし、その報酬は長続きせず、「もっと、もっと欲しい」と制御ができなくなっていくのです。
このドーパミンによる快楽のための食欲を抑えることができるのが、セロトニンと呼ばれるホルモン。
セロトニンはドーパミンの働きを抑えることができると知られており、お腹いっぱいでも食べてしまう、あの食欲を抑制することができます。
セロトニンは太陽の日を浴びたり、家族・友人と関わり幸せを感じると分泌が促進される、別名「幸せホルモン」。
このセロトニンが正常に分泌されていれば、食欲のコントロールはできるはずなのですが、ストレスが多いとコルチゾールと呼ばれるホルモンが原因でセロトニンが分泌されずらくなってしまう。
だからこそ、ストレスが多いと過食に繋がり、食欲のコントロールが上手くいかないというわけです。
2つ目の食欲は身体にとって当たり前の反応。
身体に栄養が足りていなければ食欲をアップさせ、十分に栄養があれば食欲をダウンさせる。
この反応に関係しているホルモンがグレリン・レプチン・GLP-1・PYY。
グレリンは胃から分泌されるホルモンで、食欲亢進・脂肪蓄積などの役割をもっといます。
役割だけ聞くと、迷惑なホルモンだと感じる人もいるかもしれませんが、この働きは人類がこれまで生き延びるためには必要不可欠なホルモンでした。
このホルモンのおかげで、我々はエネルギーを蓄えられ、飢餓に備えることができたのです。
しかし、現代社会ではグレリンの反応に異常をきたし、正常に機能できていない人が多いんです。
その原因こそ、不規則な生活リズム・睡眠不足などのストレス。
グレリンの反応に異常をきたすと、食欲を抑制するホルモンであるGLP-1・PYYの分泌を抑制し、食欲を抑えることができません。
また、満腹を感じるレプチンの効きも悪くなり、いつになっても満腹を感じなくなるというわけです。
空腹ホルモンのグレリンと満腹ホルモンのレプチンを正常に戻すということが食欲コントロールの第一歩というわけです。
ストレスで基礎代謝ダウン
人間の本能で1番強いのは、生き延びるという本能。
ストレスがかかっているという状態は、簡単に言うと、身体に炎症が起きているということ。
つまり、生存の危機。
人間の身体は、そんなストレスが多くかかった時、なるべく使うエネルギーを節約し、少しでも力を蓄えるように今まで生き延びてきました。
いざとなった時のために、エネルギーをため、極力使わない。
つまり、代謝を下げて省エネモードにする。
現代社会でもコレと全く同じ反応が起こります。
ストレスがかかると、身体は省エネモードになり、エネルギーを蓄える。
昔はそれでも食料が少ないことで肥満になるということはありませんでしたが、飽食の時代ではそれが肥満に繋がっているというわけです。
生き延びるために必要だった能力も、時代が違えば、私たちを苦しめるというのは不思議な話ですね。
ストレスの対処法
対処法としては、そもそもストレスをためないことがベスト。
とはいっても、現代社会に生きていてストレスフリーな生活を送るというのも不可能な話。
最後におすすめのストレス対策についても紹介していきます。
まずは、基本的なものから。
食事内容も、ジャンクフードに頼るのではなく、野菜や果物、肉や魚など
本来の食材を楽しむ。
そして、過度な食事制限はしないということ。
コレだけでも日々のストレスは軽減されていくでしょう。
運動にストレス解消効果があると知っていますか?
様々な研究で報告されているように、運動はストレスの解消と食欲コントロール効果が期待でき、ついでにカロリー消費までできてしまう最強の方法です。
激しすぎる運動は必要なく、散歩や軽い筋トレでも十分効果は出ます。
朝1の散歩などは、朝日によるセロトニン分必も副次的に効果を得られるためダブルでおすすめ。
ストレスによる過食がやめられないという人は食べる前にとりあえず歩くということを習慣することをおススメします。
最後は人との触れ合い。
ダイエットは誰かと一緒にやったほうが上手くいくという話もある通り、仲間は重要。
人間は他者と触れ合うことで幸せホルモン「セロトニン」が分泌されるといわれているため、ストレス性の過食対策にも仲間は重要。
そして、セロトニンは人間との触れ合いだけでなく、動物や自然との触れ合いでも分泌されると言われています。
すぐに会える人なんていないという人はペットや自然と触れ合い、セロトニンレベルを高めるということがおすすめになります。
食べ過ぎ対策の記事も参考に。ダイエット中でも夕食で食べ過ぎちゃう。解決策はコレだ。
ここまで3つ紹介しましたが、1番はストレスをため込みすぎないこと。
過度なカロリー制限や、高すぎる目標設定、他人との比較などはそれだけでストレスため込む原因になります。
ストレス過多な生活を送っている人は、ダイエットより、ストレスをためない生活を実現させてからダイエットをスタートするようにしましょう。
1度に2つのことをやろうとしても上手くはいきません。
まずはストレス過多な生活を脱却し、適度にストレスがある程度の生活を目指しましょう。