見た目のわりに体重が重い人・軽い人っていますよね。
なぜ見た目のわりに体重が重い・軽い人が存在するのでしょうか。
それは、生まれ持った骨格の違いです。
人間の身体は骨・筋肉・脂肪・臓器で構成されています。
これらの重さがそれぞれ異なっており、骨>筋肉>脂肪 の順で重いといわれています。(臓器はそれぜれ重さが異なるため対象外としています)
臓器に関しても肺や肝臓は1㎏近くありますし、脳や肝臓はそれ以上の重さがあります。
臓器の大きさ・重さも人それぞれ個人差があると考えられています。
筋肉や脂肪のサイズならある程度は自分でコントロールできますが、骨や臓器の大きさはコントロールできません。
そう考えると、よく言われる平均体重は意味があるのか、疑問が残りますね。
それらについて詳しくみていきましょう。
平均体重とは
そもそも、平均体重とは厚生労働省が発表している数値で、病気になりにくく健康的な体重としています。
身長からみた体重の程度を表し、一般にBMIと呼ばれる数値で語られます。
BMIが18.5~25の間が標準体重とされ、中でもBMI22の数値となる体重を平均体重としています。
BMIの計算方法は簡単で
BMI=体重(㎏)÷身長(m)÷身長(m)
身長170cm 体重65㎏の人であれば、 65÷1.7÷1.7=22.5 でBMIは22.5となります。
逆に身長から平均体重を割り出そうとした場合の計算式は以下の通りです。
平均体重=身長(m)×身長(m)×22
身長160cmの人であれば、 1.6×1.6×22=56.3 平均体重は56.3㎏となります。
ここまで見ればわかる通り、平均体重はあくまでもその人の身長から計算した目安の数値なんです。
BMIが22ということは、肥満でも痩せすぐでもないのは事実でしょう。
しかし、骨や内臓の大きさ・筋肉の付き具合など、骨格が異なっている人間にとって全員がBMI22が最も健康的だとは言い切れないはずです。
ネットで出てくる平均体重はあくまでも身長から計算しただけの数値であって、自分にとっての適正体重ではないということだけは覚えておきましょう。
骨の重さ
同じ大きさで比べた際、人間の身体の中で最も重たいのは骨です。
骨は人間の体重の約15%~20%を占めているといわれており、
体重70㎏の人では、10.5㎏~17㎏程度の重さがあると考えられます。
年齢や性別、栄養状態など、様々な要因から骨の重さにも個人差が大きく、人によって骨の大きさは異なると考えてよいでしょう。
たとえ同じ身長だったとしても、骨の太さや密度なども異なり、全く同じ重さということはありえません。
同じ身長でも2㎏、3㎏重さが異なるということも考えられます。
昔から身体が丈夫でスポーツマンだった人の骨密度は高く骨量も多いでしょうし、運動よりも音楽や読書の時間が多かったという人は骨の重さも軽くなるでしょう。
生きているうちは骨の重さを正確に測るということは不可能なので、いかに他人の体重と自分の体重を比べる意味がないかわかるでしょう。
筋肉・脂肪の重さ
同じ大きさで見た際、骨の次に重いのが筋肉です。
1ℓのペットボトルに入る水の重さは1㎏です。では、筋肉と脂肪ではどうでしょう。
同じ大きさだと、筋肉は1.1㎏、脂肪は0.9㎏となります。
つまり、筋肉は脂肪より重い。
体重計の数値を大幅に減らしたい。と思ったら筋肉を減らす方が効率がいいということです。
しかし、筋肉が減るとめりまりがなく、だらしない身体になってしまうのも事実。
見た目を良くするなら筋肉の維持・向上が必要となります。
体重計の数値を気にしすぎるのは危険とよく言われる理由は、筋肉の維持を考えての事だったんですね。
臓器の重さ
続いては臓器について。
人間の身体には、骨・筋肉・脂肪以外に臓器があります。
例えば、脳や肝臓は約1.3㎏ありますし、肺は片方だけでも400gほどあると言われています。
また、心臓や膵臓・腸など、数えるときりがありません。
腸の中には腸内細菌が存在し、その多さも人それぞれ。(腸内細菌だけでも1~2㎏の重さがある)
同じ骨を持つ人間がいないように、同じ臓器・同じ腸内細菌を持つ人間もいません。
これを考えるだけでも臓器による体重の誤差は大きそうですね。
まとめ
最後に今回のまとめ。
- 平均体重とは身長から計算した数値の目安
- 骨>筋肉>脂肪の順で重い
- 骨や筋肉だけでも2~3㎏以上の誤差が出るのは当たり前
- 臓器や腸内細菌を考えると体重の誤差は大きい
- 平均体重と自分の適正体重は違う
これだけでもいかにネットや世間の平均体重を気にする必要がないかがわかりますね。
もちろんBMIはある程度の目安にはなりますから、太りすぎや痩せすぎの対処には適切でしょう。
しかし、BMI20~25の人であればそこまで平均体重の数値にこだわらず、自分が生活して最も心地よい体重を選んで頂ければ良いかと。
著者自身も、平均体重を目指し、BMI20以下まで落としたことがありましたが、実際はもっと体重があった方が身体が軽く感じたんで、今ではBMI23前後で落ち着いています。
もちろん腹筋は割れて見える範囲を維持していますがね(笑)。
今回の記事で、体重計の数値にとらわれすぎている人が少しでも楽になったらうれしく思います。