世間では、「目標を達成したけりゃ人に言え!」というアドバイスが良く語られています。
これは、プレコミットメントと呼ばれる手法の一つで、将来どうありたいかということを具体的に強く意識し「未来を固定する」ことで今どう行動すべきか明確になるというテクニックです。
実はこのテクニック、ダイエットにも効果的に働くことがわかっているんです。
人間は、行動や目標を人に公言することで、脳内で一貫性が働きより良い行動を選択しやすくなる。
その理由としては、人間の深層心理にある認知的不協和というものが関係しています。
認知的不協和と簡単に言うと、不快から逃れようとする反応。
人間は、たとえ自分の脳内の不快であっても敏感に反応し、その不快を解消しようとするんです。
それの何がダイエットと関係あるのか。心理学から見たダイエットテクニック。
それぞれ詳しくみていきましょう。
人は不快感から逃れたい 認知的不協和理論とは?
認知的不協和とは、人間が物事に対して抱く矛盾(不協和)を不快に感じるという心理学用語です。
例えば、「ダイエット中のお菓子はよくない」と思っていても欲求が強く甘い物を食べてしまった時、考えと行動に矛盾が生じます。
人間の脳はこの矛盾を不快に感じ、お菓子を食べたのはいいこと。「運動するためのエネルギー補給だ」「代謝を回復させるため」など、言い訳を創り不快を解消するんです。
このように、好ましくない行動をとった場合、人間の脳内は言い訳を見つけ、逃れようとする。
これがダイエットと認知的不協和の関係です。
認知的不協和は人間誰しもが持っている基本能力なので、言い訳してしまうというのは仕方がないことなんです。
認知的不協和は人間が生きて聞く中でストレスをため込みすぎないように働くとても必要な機能。そのおかげで人間は生き延びてきたといっても過言ではないでしょう。
そうはいっても、言い訳ばかりしていてはダイエットが上手くいかない。
では、どうすればいいのか。 認知的不協和を逆に利用してやるという方法。
それこそが「人に公言する」ということ。
詳しくみていきましょう。
なぜ人に公言した方が上手くいく?
認知的不協和をうまく使いこなすコツはいくつかありますが、ここでは「人に公言する」というテクニックについて。
2つのパターンで比較してみましょう。
- パターン①:ダイエットを公言せず、1人で頑張る
- パターン②:ダイエットすることを家族や友人に公言する
パターン①は一般的なダイエットです。
もし、食べたいという欲求や外食の機会が訪れた際、今まで通り、脳内では不快を解消するために言い訳を探し、好ましくない行動をとる確率が高まります。
もし、意志力を使い我慢できたとしても、その不快感がストレスを呼び、いつしかストレス性の過食やダイエット放棄をもたらす可能性もあります。
パターン②ではどうでしょう。
もし、欲求や外食の機会が訪れたとして、脳内で言い訳を探したとしましょう。
しかし、その言い訳はあくまで自分の脳内だけで作られただけなので、公言した相手の人の矛盾を解消することは出来ません。
相手の矛盾まで解消するには、「今日は運動を頑張るために食べるんだ」など、再度公言し、相手にも言い訳を伝えなくてはいけないという手間がかかります。
『手間がかかるという、一時停止があるかないか』これにより、行動は大きく変わってきます。
認知的不協和を活用し、一時停止のスイッチを創るだけで、ダイエットの成功率は大幅に上がってきます。
「黙っていればいいじゃん」「言わなきゃばれない」という反論も聞こえてきますが、秘密にするということの対しても認知的不協和が働きます。
秘密にして、慢性的なストレスを感じ続けるということができる人はそう多くはないでしょう。
いずれにしても、「人に公言する」だけで、『一時停止のスイッチ』がつくられダイエットに効果的ということは言うまでもないでしょう。
公言できる家族や友人がいない場合は?
人に公言するのがいいのはわかった。でも、公言する相手がいない。
いないことないけど、恥ずかしいから公言したくないという人も椅子でしょう。
そんな人におススメなのが、
- 裏アカウントでSNS発信
- 普段から目につく場所に手書きの宣言
- トレーナー・コーチを付ける
この3つです。
現代は非常に簡単に情報を発信できるようになりますた。
InstagramでもTwitterでもSNSを利用し、簡単にダイエット宣言が可能でしょう。
恥ずかしいという人は新しく別のアカウントを作成し、ダイエット用のアカウントを作成してみましょう。
その場所をダイエット宣言と日々の記録に使うと効果抜群です。
フォローワーがいようがいまいが関係ありません。
考えを自分の脳内から切り離し宣言・表現するということが大切なのです。
SNSが嫌だという人はアナログ的でも構いません。
目につく場所に紙で書くなど。考えを頭の中だけにとどめておくことさえなければ良いのです。
SNSで宣言したり、紙に書くというのは簡単にできお金もかからない方法です。
恥ずかしいという人はぜひ試してみてください。
多少お金を払ってでもダイエットを成功させるという意識が強い人は、トレーナーやコーチを付けるというのも効果的な方法の1つです。
最近はジムに行かなくてもオンラインでコーチを受けることも可能なため、積極的に活用してみても良いかと。
まとめ
最後に今回のまとめ。
- ダイエットは人に公言した方が上手くいく
- 公言することで「一時停止のスイッチ」ができ、より良い行動をとりやすくなす
- 公言するのが恥ずかしい人はSNSや紙に書くなど、考えを脳内から外に取り出すということが大切
- 余裕があればトレーナーやコーチを付ける
「目標達成のためには言葉にすることが大事」という昔から言われるアドバイス通りの結論ですね。
筋トレ系・ダイエット系YouTuber がモチベーションを維持していられるのも、
SNSで多くの人に公言しているからでしょう。
このテクニックを一般人の我々が使うには、人に言うということが最も簡単そうですね。