ダイエットの成功の鍵は食事制限やエクササイズだと思っている人はいませんか?
実は、ダイエットで最も大切なことは、食事制限やエクササイズではなく、ボディイメージなんです。
セルフボディイメージが改善するとダイエットが3倍以上はかどり、成功しやすくなるという研究結果が報告されています。
ボディイメージとは、「自分の見た目をどのように考えているか?」という心理学用語。
「私って太っているな」「自分は背が低いからモテないだろうな」「シワが多くて老けて見えるな」「筋肉が少なすぎて頼りないな」など
自分の見た目が悪いと感じる場合はボディイメージが悪いと判断されます。
ボディイメージが悪いとダイエットが進みずらいだけでなく、メンタルに不調をきたし精神疾患になる場合もあるため注意が必要です。
逆に、ボディイメージが良い人は、ダイエットが成功しやすくなることはもちろん、それ以外にも様々なメリットが得られると報告されています。
ボディイメージを改善することはダイエッターにとってはなくてはならない技術。
そんなボディイメージの科学についてご紹介していきます。
ボディイメージとは?
ボディイメージとは、人間が自分自身に対して抱くあらゆる価値観です。
自分の見た目に対してどのように感じているか。
ボディイメージは人間が行動する際に方向性を示す価値観として働くということがわかっています。
例えば、「私は太っているからダイエットしなきゃ」などを思いダイエット(行動)に移そうとするなど。
ボディイメージが厳しすぎる場合は自分の身体に不満を感じ、過度な減量行動へ
ボディイメージが緩すぎると肥満などの生活習慣病へ
このように、健康を意識した際は自分のボディイメージを正しく理解する必要があるんです。
通常なら、ボディイメージが歪み健康を害するようなことはありません。
しかし最近は、過度なダイエットや昔のトラウマなど、
身体的・精神的・社会的な要因でボディイメージが歪む例が増えてきました。
ボディイメージが悪いと様々なデメリットが出現してしまいます。
詳しくみていきましょう。
ボディイメージが悪いとどうなる?
ボディイメージに歪みが生じている(ボディイメージが悪い)場合、以下のような問題が起こります。
- 太りやすくなる
- 免疫機能が低下
- 困難に弱くなる
大きくこの3つでしょう。
それぞれ見ていくと、
2015年にアメリカで行われた研究によると、
「自分は太り気味だ…」と思っている人ほど1年後はさらに太っていた という結果が出た。
2013年の研究では、自分の体重に対してネガティブなイメージを持つ人ほど、肥満になる確率が2.5倍も高かった と。
考えられる要因としては、自分の考えに対して慢性的にストレスを感じるせいでコルチゾール(ストレスホルモン)が分必されやすく、
結果的に、過食・代謝機能の変化・インスリン抵抗性、脂肪蓄積などが起きてしまう。ということになります。
ダイエットとストレスは切っても切れない関係がありそうですね。
続いては、免疫力について。
「もっと体重を減らしたい」と思っている人ほど免疫力が低下し、病気にかかりやすかった
ということが15万人もの人を対象とした健康調査分析で報告されています。
理由は定かではありませんが、
日々体重を減らしたいと思う人ほど、病気になりやすく、気分も落ち込みがちというだけで健康には見えないですよね。
最後は困難に立ち向かう強さ。
これは、2014年に発表された論文。これによると、
自分の体型に欠点を感じている人ほど、摂食障害が起きやすい・日々のトラブルに対応できない・嫌なことをひきずる
逆に、自分の体型の欠点を受け入れている人は、ストレスに強く、嫌なことがあっても回復しやすい
という傾向が明確にあったと報告されています。
このことから、
たとえ少し太っていたり、筋肉が少なくても自分自身で自分の身体に納得ができていればメンタルは強く、免疫機能も正常だということです。
ボディイメージが良いメリット
上記したとボディイメージが良いことのメリットもここでまとめておきましょう。
- ダイエットが3倍も成功しやすくなる
- 幸福感を感じやすい
- 新しいことにチャレンジできる
- 困難に立ち向かいやすくなる
2011年に行われた研究では、ボディイメージが改善すると体重が3倍も落ちやすくなったと報告されています。
他にも、インスタなどのSNSを多く見る人に比べてSNSをあまり見ない人はメンタルに支障をきたしにくいということも報告されています。
これは、外部からボディイメージに対する刺激が少ないことが原因だと考えられています。
ボディイメージが良い人は自分自身の行動をコントロールできるセルフコントロール能力が強く、
食事や運動などの好まし行動をとりやすくなるため、ダイエット効果の向上やメンタルの向上は信憑性が高そうです。
ボディイメージを改善させる方法
では、ボディイメージが悪い人が自分の身体に自信を持つにはどうせればいいのか?
方法は以下の通りです。
- 見た目だけでなく機能にもフォーカスする
- 認知を変える
1つ目の機能にもフォーカスするということは、「自分は体重は重いが野球が得意だ」「音楽ができる」「ゲームなら負けない」など様々。
得意なことでなくても、「病気で歩けない人もいるんだ。普通に歩けるって幸せだな」「美味しい物を味わえるって素晴らしいことだな」など
当たり前のようにできる能力に感謝するだけでもボディイメージの改善につながります。
できない・苦手・自信がないことではなく、できる・得意・自信があることを考えるということはとても大切ということです。
2つ目は、人間が生活するにあたって重要すぎる能力。「認知の変化」です。
これは、他人の意見に対する不安を軽減させることなどで、
「太っていたらバカにされる…」といった不安を「ほとんどの人は私のお腹なんて気にしてない」や「バカにされても楽しく人生を過ごせればいいや」など
他人に対する不安は、思っているほど大したことないと理解できると、ボディイメージが改善しやすくなり、メンタル的にも強くなると報告されています。
この「認知の変化」はダイエット以外にも様々な効果があるため、ぜひとも身につけたい能力ですね。
最後に
精神的な強さを得るには必ずしも自分自身の身体にポジティブなイメージを持つ必要はありません。
ポジティブなイメージを持つよりも、「これでもいい」と納得することが重要なのです。
確かに、自分自身の身体に対する成長を意識することも大切ですから「今のままで十分」と思うのではなく、
「今が悪いわけではない、でも、もっと上を目指せるぞ!」と思うことがベストだと感じます。
自分自身のボディイメージを改善し、ダイエットがはかどるだけでなく、人生の質が向上する人が増えたら嬉しく思います。