ダイエット

ダイエットが長期戦と言われる理由。人間が痩せていくメカニズム・・・

ダイエットは短期的に行ってもうまくはいきません。

巷では「1週間で3㎏痩せる」「1カ月で5㎏減」など短期的に効果をだすという情報も目につきますが、そのほとんどは精神的なデメリットが大きく、リバウンドして逆に太りやすくなるという方法もあります。

よく言われる話ですが、脂肪は1㎏=約7200㎉

成人男性でも1日に消費するカロリーは2500㎉程度なので、3日間断食すれば1㎏分の脂肪を落とすのに必要なカロリーは消費できるでしょう。

しかし、人間の身体はそんな単純な反応はせず、過度な食事制限やストレスがかかると、代謝の低下や筋肉量減少・ホルモンバランスの乱れなどの様々な防御反応を起こし、身体が変わることを防いでいきます。

つまり、人間の心と身体は急激な変化を嫌い現状を維持するようにプログラムされているんです。

人間が変わるには、毎日の少しの変化が積み重なる時間が必要なんです。

そんなダイエットが長期戦という理由について詳しくみていきましょう。

人間は変化を嫌うようにできている

人間には恒常性(ホメオスタシス)という現状を保とうとする機能が存在しています。

つまり、人間はどんな変化が起こっても、現状(健康でパフォーマンスを発揮できる状態)を維持すっるようにプログラムされているわけです。

例えば、「寒い時期では体を震わせて無意識に体温を上げ、運動して熱くなると汗をかいて体温を下げる。」「怪我や病気をしても免疫やホルモンの作用によって元通りになる」「脱水気味になると喉が渇いて水分を欲するようになる」「エネルギー不足になると食欲が増し食べ物を欲する」

体温や血圧・電解質の割合・免疫力・怪我の回復・体重などなど、人間は身体の変化を嫌い様々な方法を利用して元の身体に戻ろうとします。

これは人間の長い進化の歴史の過程で獲得した、変化にうまく対応するための機能 環境や状況が変わっても自分自身のパフォーマンスを発揮するために必要なものなんです。

人間は、「身体に変化が起こるということは生存の危機」と防衛本能のように変化を嫌うというわけですね。

これは体重の変化も同様で、「体重が減っている。エネルギー不足になるから節約しよう。」とこれ以上体重が変化しないように防御反応を起こすわけです。

このように、過度なダイエットやストレスは急激な変化を引き起こし、人間の防御本能を呼び起こす悪手。

今までの生活で徐々に太ってきたように、痩せることも徐々にゆっくり進めていくことが重要ということですね。

日常からコツコツ、習慣自体を変えることができれば身体の防御反応は起こりずらいと言えるでしょう。

人間は心から痩せていく

人間は心→身体の順番で痩せていきます

身体は痩せてきたけど常に食べ物のことを考えてお菓子を食べたいけど我慢している人はいつか必ずリバウンドします。

一方、今は太っているけど食べ物の誘惑が減っていき健康的な食習慣を身に着けることに成功した人はいつか必ず痩せていきます。

現状の身体はどうであれ、心(マインド)が痩せていなければ最終的な身体は太っていき、心(マインド)が痩せていれば最終的には健康体の身体になっていく。

もちろん、痩せるマインドを持っている人でもたまにはお菓子やジャンクフードが食べたくなる日はあるでしょう。

しかし、一生を通してトータルが健康的なら問題なし

ダイエットをしている人の中には禁止食材を創ったり、特定の栄養素を摂らないという人もいるようですが、その方法では短期的に痩せたといってもいつか必ずリバウンドするでしょう。

まずは心から痩せていき、ダイエットマインドを獲得することが先決でしょう。

そのための方法については当ブログでもいくつか書いているので参考に。

【ダイエットマインド】ダイエットはロングゲームで考えた方が上手くいく。

ダイエットマインドの育て方。心の健康が一番大切。

ダイエットで、泣く人・笑う人。柔軟に考え、セットポイントを整えれは人間は太りません。

脳をバグらせる食べ物は何?肥満脳になる原因とは?

人間が変わるには時間が必要

人は1年でできる事をことを過大評価しすぎる。
そして、10年でできる事を過小評価しすぎる。

アンソニー・ロビンス

この言葉はアメリカの名コーチであるアンソニー・ロビンス氏の言葉です。

1年であれもこれもやりたがるがほとんどは成功しない。逆に10年という長い期間を目標立てて1日1日を積み重ねていける人は少ない

これは人間の変化にも言えることだと思います。

短期的に過大な目標を立てても、結果的にはうまくいきません。そして、長期的な目標を立てる事は想像ができず1日1日をおろそかにしてしまう。

人間にとって短期的にできる事はたかが知れています。

しかし、実行する期間を伸ばし、長期的な目標を明確に立てることができれば、思っているよりも素晴らしい成果を出すこともできるわけです。

上記した言葉では1年=短期、10年=長期 としていますが、ダイエットでいえば1ヵ月=短期 1年=長期と言い換えられるでしょう。

人間が変わるには時間が必要です。

目先の目標にとらわれずに、自分が今度どうありたいかを明確にすることが重要というわけですね。

ダイエットにはどのくらいの時間が必要

人間が変わるには時間が必要とお話しましたが、ダイエットで身体を変えるにはどのくらいの時間が必要なのでしょうか。

結論から言うとこう。

  • 太った期間が1年未満…太った期間と同じ
  • 太った期間が1年以上…1年

これはセットポイントと呼ばれる考え方がもとになっており、詳しくは「脳をバグらせる食べ物は何?肥満脳になる原因とは?」を参考に。

簡単に言うと、恒常性(ホメオスタシス)と同じようなもので、ダイエットで体重が減る=体重が減りにくく増えやすい身体になるというもの。

人間がダイエットを成功させるにはこのセットポイントを正常に戻す必要があるわけです。

そのために必要な期間がだいたい1年

ダイエットに関する大規模な研究では1年続ければどんな方法でもダイエット効果は変わらないと報告されており、1年間体重をキープできればセットポイントも変わっており、その後のリバウンドのリスクが極端に少ないと報告されています。

つまり、子供のころから肥満体型だった。社会人になって数年たつと太っていたという長い時間をかけて太った人が本当のダイエットを成功させるには1年という長期間を必要とするわけです。

とはいえ、1年間厳密なダイエットをするというわけではなく、生活習慣そのものを変えるということ。

健康的な食事と適度な運動を行い、ゆっくりですが着実にコツコツと行っていくことが重要なんです。

だからこそ、1日1日で見れば大した変化は必要ありません。今後もずっと続けられるような継続可能な習慣を身に着ける必要があるわけですね。

もちろん、1年の内でたまに食べ過ぎる日があってもいでしょう。大切なのは良い習慣を継続することですからね。

一方、ここ2,3か月忙しくて太ってしまった。受験や仕事のストレスで短期的に太った。年末年始の食べ過ぎで太った。というような人なら、太るのにかかった期間だけ注意し直せばダイエットは可能です。

ボディービルダーなどもこの方法で体重の増減を繰り返しています。

1日で痩せることもなければ1日で太ることもありません。

自分がどのくらいの期間で太ったのかを理解し、自分に合った期間の設定が重要ですね。

フィットネス・ボディメイクは一生の趣味

最後に、フィットネス・ボディメイクは短期的に終わらせるものではありません

海に行くから腹筋を割りたい。結婚式のために痩せておきたい。というだけなら話は別ですが、自分の身体は自分が一生乗り続ける車です。

常に万全の状態でいれるよう日々メンテナンスを行う

3カ月やったからダイエットは終わりというのではなく、これから一生を通して磨いていく

そんな風に一生飽きない趣味だと思って楽しく継続するくらいの気持ちでいいんです。

たとえ今は太っていても、ダイエットマインドさえ整っていればいつかかならづカッコいい身体になることは可能でしょう。

自分に厳しすぎず・甘すぎず。人生を面白おかしく過ごしていくことが最高の秘訣ですね。

著者も日々の生活の満足度は下げず、今よりも少しでもいい状態をめざし、ゆっくりコツコツ継続していきたいと思う次第です。