ダイエットは長期戦です。
1週間で5㎏痩せる、1カ月で10㎏などの方法に関する情報が多くありますが、それらはリバウンドの危険性が高く、摂食障害になる可能性もある危険な方法です。
そもそも、人間が痩せる仕組みはそんなに早く進まず、短期的に痩せた体重のほとんどは水分。
「誰でもできる・簡単・すぐに」という言葉が付くダイエット方法があるとしたら注意しましょう。
本記事を読んで、ダイエットで効果を出すにはどれくらいの時間がかかるのか理解し、ダイエットという長期戦に打ち勝っていきましょう。
脂肪が燃えるメカニズム
脂肪が燃えるメカニズムはざっくり分けてこんな感じ。
- エネルギーが必要になるとホルモンの働きによりリパーゼと呼ばれるホルモンが活性化する
- リパーゼが中性脂肪を遊離脂肪酸とグリセロールに分解する
- 遊離脂肪酸はミトコンドリアに運ばれエネルギーになる
- 余った有利脂肪酸は再び中性脂肪になる
このように、中性脂肪が燃えるメカニズムには複数の過程を必要とし、多くのホルモンや酵素の働きが関与しているんです。
たとえ中性脂肪が分解されたからといって、そのエネルギーを消費しなければ再度脂肪に戻ってしまいダイエットは出来ないというわけです。
この複雑なメカニズムが1週間などといった短期間で急激に起こるとは考えにくい。
短期的な体重の変動は中性脂肪の増減ではなく水分による影響が大きいというのも納得ですね。
脂肪1㎏は7200㎉
では、身体についている脂肪を1㎏減らすのにどのくらいのエネルギー(カロリー)が必要なのか。
それは、1㎏=7200㎉
成人が1日に消費するカロリーは、男性2500㎉程度、女性2000㎉程度。
脂肪を1㎏減らすには成人男性3日分のエネルギーが必要というわけです。
とはいっても、カロリーを極端に下げたダイエットでは基礎代謝が低下し、1日の消費カロリーも低下してしまいます。
たとえ1日何も食べなかったとしても1㎏も脂肪が減らないのは悲しい現実ですね。
ですが、何も食べなければ筋肉量が減少したり、水分が向けたりと体重計の数値では大きく変化するでしょう。
ダイエットで失敗しがちな人は体重計の数値にばかり目をむけ、結果的に脂肪が全然落ちていないという場合が多いということですね。
また、脂肪を1㎏落とすのに7200㎉必要ということは、脂肪が1㎏つくのにも7200㎉必要ということ。
このことからも1日2日の食べすぎくらいではダイエットには全然問題ないということがわかるでしょう。
毎日コツコツ、基礎代謝が低下しない程度に摂取カロリーを減らしていれば、長期的にみて理想の身体に近づくというわけです。
脂肪を落とすには長期的な継続が必要不可欠ということがわかるでしょう。
理想の脂肪が落ちるペース
では、脂肪を落としていくペースはどのくらいの速さが理想なのでしょうか。
それは、基礎代謝が低下せず筋肉量が減らないペース。
2020年に行われた研究によると体重減少が早いダイエットとゆっくりなダイエットを比較したものがあります。
この研究の結論をまとめると、ゆっくり体重を落とすダイエットの方が体脂肪が減少し、筋肉が維持されやすく、基礎代謝の低下も少なかったと報告されています。
やはり、ダイエットは長期的に考えるほどデメリットの影響は少なくなるということですね。
そして、その他の研究でも明かされた理想のダイエットペースは1週間で体重の0.5~1%の減少。
体重70㎏の人であれば1週間で350g~700gくらいの減少。1ヶ月で1.5㎏~3㎏くらいのペース。
このくらいのペースであれば筋肉量の減少を極限まで抑え、基礎代謝の低下も防げるでしょう。
もちろん、ダイエットスタート直後はむくみが抜けて一気に1,2㎏は落ちる場合もありますが、その後はゆっくり着実に体重を落としていくことがおすすめです。
まとめ
最後に今回のまとめ。
- 脂肪が燃えるには複数のプロセスを通る必要があり、消費しないと再び脂肪に戻ってしまう
- 脂肪は1㎏=7200㎉
- 1日で痩せることがなければ、1日で太ることもない
- 体重減少の理想のペースは1週間で体重の0.5%~1%
- ゆっくりダイエットした方が筋肉量が維持しやすく代謝が低下しずらい
これらからわかる通り、ダイエットは長期戦。
すぐに結果を得たい気持ちはわかりますが、すぐに痩せた身体はまたすぐに太ります。
一生を健康にかっこよく生きていくには長期戦略が大事ということは間違いないですね。
ダイエットは成功率は低いですが、長期戦略を取り入れゆっくり着実に行えばだれでも成功できる行動です。
ぜひ、ダイエットという長期戦を楽しく・無理せず継続していきましょう。
おすすめするダイエット法については以下の記事を参考に。
ダイエットの絶対法則と成功法則。「食べて痩せる」にはどうすればいい?