健康診断で、「運動をしましょう」と言われたり、最近体が重いから運動しなきゃなと思うことはないですか?
健康のためには適度な運動が必要。
皆さんがそう思うはずですが、なぜ運動は必要なのか。
どういう運動がいいのか。
今回の記事では健康のための運動に特化してお話していこうと思います。
運動ってなんでした方がいいの?
そもそも、人はなぜ運動する必要があるのでしょうか。
これも単純に考えれば答えは出ますよね。
人間はもともと狩猟採取して暮らしていた時間が長く、そのころには動かないと食べるものを手に入れることができなかった。
動かずに食べ物にありつける動物は、生まれたばかりの赤ちゃんか、ここ最近の現代人だけなんです。
そして、動物や人間に近い存在である類人猿でさえ、老いて生殖機能を失うと動かなくなり、そのまま死んでしまいます。
しかし、人間は違うんです。
鋭い牙や爪を持たない人間は、老いて生殖機能を失っても、集団で子供を守るという進化のプロセスをたどってきました。
その結果、類人猿と比較しても、中高年を迎えてからも積極的に動き、長生きしてきたのです。
動いて長生きすることは人間の特権なんです。
つまり、進化のプロレスを考えると人間は動かなければ生きていけない存在ということです。
しかし、現代人は動かなくても食べていけるため、病気やケガを抱えながら医療の力で生きながらえているんです。
だからこそ、「運動しよう」ということです。
運動のメリット
運動のメリットは以下の通りです。
- 脳機能改善
- 見た目の若返り
- 心疾患の予防
- ダイエット効果
など、確実に効果のありそうなことだけでもこんな感じです。
これだけ見ても運動と健康の間には切っても切れない関係がありそうですね。
今回、特に紹介したいのが「脳機能の改善」です。
これについては詳しくみていきましょう。
脳機能は変えられる。
この事実を知っている人は少ないかもしれません。
しかし、運動をすることで脳が可逆的に変化するということは科学的に証明されているんです。
ある研究によれば、1年間ウォーキングを続けたグループは、そうでなかったグループに比べてMRIでの検査で脳の連携が強くなっていた。
また、定期的に運動する人は運動しない人に比べて認知症になりずらく、若々しかったという研究もあります。
なぜ運動が脳にいいのかというと、運動をすることでBDNF(脳由来神経栄養因子)と呼ばれる物質が生成されるからです。
BDNFは大脳皮質や海馬と呼ばれる脳の部位で合成されるたんぱく質で、以下のような効果があるとわかっています。
- 脳細胞の保護
- 脳細胞の生存や成長を助ける
- 脳の細胞間のつながりを強化
- やる気やモチベーションの向上
つまり、脳にとっての肥料のようなものです。
そして、このBDNFを最も効率よく、副作用を出さずに生成できることこそが運動なんです。
BDNFは奇跡の物質のようですが、科学的に存在が確定している健康に欠かせない物質です。
実際に、BDNFとうつ病には相関関係がみられ、自殺してしまったうつ病の人の脳にはBDNFがの値が低いとわかっているんです。
どのくらい運動すればいいの?
では、最後にどんな運動がいいのか。
年齢別に紹介していきます。
中等度の運動は動きながら会話ができるレベル。
高強度は息がハァハァするレベル。
18歳以下は1日60分程度の中等度の運動。
できれば週3回以上の高強度運動。
まあ、通学や日々の遊び、部活動などで問題なくクリアできるレベルですね。
週に150~300分の中等度の運動or75~150分の高強度の運動。
さらに、できれば週2回以上の筋力トレーニング。
成人になると極端に運動しなくなる人もいるので意識的に動いていきましょう。
そして、何より座りっぱなしの時間を減らすことが大切。
1時間に一回は立ち上がって少し歩くなどの習慣をつけることをお勧めします。
高齢者は最低でも週に150~300分の中等度の運動or75~150の高強度の運動と筋トレ。
成人の人と変わりません。
つまり、何歳になっても同じように動くべしということです。
そして、高齢者は筋力が衰えていってしまうパターンが多いので、筋トレは非常に効果的です。
では、何をすればいいのか。
ここまで運動のメリットを読んで、運動しないとなと思った人もいるのではないでしょうか。
何をすればいいのか。
答えは簡単です。
今すぐスマホやパソコンをとじてスクワット・腕立て伏せ・ウォーキング。
なんでもいいです。
とにかく身体を使ってやしましょう。
身体を動かすだけで健康で長寿になれるという人間の特権を有意義に使いましょう。
効果的な運動については別の記事で。