医療の進歩により、延命治療が進められ、寝たきり状態でも生きていけるようになったため平均寿命は年々増加し、令和2年の発表では、男性81.64・歳女性87.74歳となった。
しかし、健康寿命をみると男性72.68歳・女性75.38歳。
つまり、人間は8~12年は不健康な状態で生きている。
日本人の死因と寝たきりの原因はイコールじゃない
ここで注目したいことは、死因と寝たきりの原因が必ずしもイコールではないという点だ。
実際、日本は世界的に見て長寿国と言われているが、世界一の寝たきり大国と知る人は少ない。
寝たきりになったとしても死ぬとは限らない。
しかし、自分の思うように生活できない人生でいいと思う人は少ないはず。
寝たきりにならないためのは?
では、寝たきりにならないためにはどうすればいいのか。
それこそが運動だ。
意外に思う人もいるかもしれないが、運動は筋肉をつける以外にも様々な効果が期待できる。
2016年にキャンベラ大学で行われたメタ分析によると、どんな運動でも定期的に行うと脳機能の改善が確認されている。
他にも、心肺機能向上により疲れにくい身体になったり、生活習慣病の予防にもなる。
そして、BDNF(脳由来神経栄養因子)と呼ばれる物質が生成され、脳内のネットワークが強化される。
脳内のBDNFの量はうつ病と相関関係がみられ、運動は副作用のない薬ともいわれるほど。
人間は歳をとってからも運動するようにプログラムされた
最後に、面白いと思ったデータの紹介。
実は、動物(人間に近い類人猿でさえ)は年をとり、生殖機能を失うと極端に運動量が落ち死んでしまう。
しかし、人間は生殖機能を失った後も生きようとする。
これは、鋭い牙や爪を持たない人類が進化の過程で集団のなかで子供を育てていくという道を選んだからと言われている。
しかし、現代の人間は歳をとり動かなくなる人も少なくない。
そして使わない筋肉が衰えていき、脳機能も改善せず、寝たきりになり、死んでいく。
「歳をとるから動かなくなるのではない。 動かないから歳をとるのだ。」